着物レンタルでレンタルした着物を着て、外出や食事をするシーンで、気になるのが汚れや破損です。雨や雪による汚れや食べ物や飲み物をこぼしてしまったときについてしまう汚れやシミなど、原因は様々ですが、万が一レンタルした着物を汚してしまったり、破損してしまった場合はどうなってしまうのでしょうか。
レンタルした着物を汚してしまったらどうする?
簡単なしみ抜きや丸洗いならレンタル料金に含まれている
基本的に着物レンタルでは、着物のクリーニング料金もレンタル料金に含まれています。ですから、レンタルした着物はクリーニングをすることなく、そのまま返却すればOKです。
食べこぼしなど簡単な汚れやシミであれば、柔らかい乾いた布で拭き取るだけで、後はレンタルショップがクリーニングでシミ抜きや丸洗いを行うので、特に問題はありません。
汚れがひどい場合は別途料金を請求されることもある
極端に着物が汚れてしまった場合は、汚れの度合いや破損の度合いによって、高額な修復費用が発生したり、弁償になってしまう可能性があります。
別途費用を請求されるケースとしては、
- ワインや母乳、血液や油性の汚れなど、一般的なクリーニングでは落とすことができない汚れ
- たばこの焦げによる破損
- 香水の匂い移り
- 時計やブレスレットなどによる袖などの生地のほつれ
などが挙げられます。
またこの他にも、
- 粘着性のある汚れ
汚れやシミの原因によっては、一般的な着物のメンテナンスや修復では元に戻すことができない場合もあります。特にジェルネイルやマニキュア、接着剤など粘着性のある汚れが着物や帯に付着してしまうと、高額な請求に繋がる可能性が高くなります。
- 着物の縮み
雨や雪などで過剰に着物が濡れてしまうと、着物によっては生地が縮んでしまい、元に戻らなくなってしまうことがあります。一度生地が縮んでしまうと仕立直しが必要になることから高額な請求に繋がる可能性が高くなります。
基本的にはレンタル着物の場合、着物が雨などで濡れてしまうことも想定して、防水加工が施されていますが、過剰な水分による生地の縮みは簡単に修復することができなくなってしまうので、天候の悪い日に着用する場合は特に注意しましょう。
応急処置は着物を痛めてしまう原因になる!
飲み物や食べ物を着物にこぼしてしまったときなど、すぐにハンカチなどで拭いて対処してしまいますが、実は応急処置をすることで逆に汚れやシミが悪化してしまったり、着物の生地を痛めてしまいます。
例えば、濡らした布で汚れやシミをこすると見た目には薄くなっているように見えますが、汚れやシミの範囲が広がってしまいますし、さらに汚れやシミが繊維の中に入り込んでしまいます。この他にも、着物の生地によってはおしぼりなどで擦ることで毛羽立ってしまったり、生地が縮んでしまう可能性もあります。
着物の汚れを防ぐ方法
自分で購入した着物はもちろんのこと、着物レンタルでレンタルした着物を汚してしまったというトラブルを防ぐために、ここでは着物の汚れを防ぐ方法を紹介します。
着物を汚してしまうと家庭で洗うのは難しいため、専門的な技術や知識が必要を持つクリーニング店などにクリーニングを依頼することになります。着物のクリーニングは洋服のクリーニングよりも料金が高くなってしまうことから、自分で購入した着物もできるだけ汚さないためにも覚えておきたい方法です。
化粧品による衿の汚れに注意!
着物の衿の汚れの原因になるのが、化粧品です。特に下地やファンデーションなどが首周りの衿の部分につきやすくなります。
防ぐ方法としては、
誰かと話をするときに顔だけを向けるのではなく、体ごと向けることで衿と首の擦れを防いで化粧品がついてしまうのを防ぐことができます。
着付けの際に衿を詰めすぎないことも大切です。
また、衿の他にも両手の袖口も顔に手を近づけたときにファンデーションなどの化粧品がついて汚れてしまうことがあるので、仕草などに注意しましょう。
食事をするときはハンカチや懐紙、クリップなどを上手に使って!
着物の汚れを気にするシーンとして挙げられるのが、食事シーンです。そんなときは3つのアイテムを上手く使って汚れを防ぎましょう。
・ハンカチ
レストランなどによってはナプキンが置かれている場合もありますが、用意されていないこともあります。そんなときはハンカチを膝の上に広げたり、帯に挟んで食べこぼしによる汚れを防ぎましょう。
・ナプキンクリップ
ナプキンやハンカチを両端にクリップのついた紐状のアイテムで挟んで、着物の衿にかけるようにして使用するのが、ナプキンクリップです。上半身への食べこぼしによる汚れを防ぐことができます。
・懐紙(かいし)
会席料理などで用意されていることが多いのが懐紙(かいし)です。懐紙は通常受け皿代わりに食べ物を口元に持っていくときに使用したり、口元の汚れを拭くときなどに使いますが、魚の小骨を口から出すときに口元を隠すときにも使用します。
食事をする場で用意されていないこともあるので、一つ持っておくと便利に使用することができます。
テーブルの食事で袖が汚れてしまわないように袖を抑えよう!
食事中の汚れを防止するためのアイテムはいくつかありますが、振る舞いにも注意します。
食事中に遠くのものを取るときは、テーブルの上の食事で着物の袖が汚れないように、必ず反対の手で袖を押さえるようにします。
着物は袖が長いことから、気づかないうちに食事で袖が汚れてしまうことがあります。見た目にもスマートになるので、意識することで美しい立ち振舞になります。
●まとめ
簡単なシミ抜きや丸洗い程度であれば、レンタル料金に含まれていることから、安心してそのまま返却することができます。自分で汚れやシミをどうにかしようとしてしまうと、被害が大きくなってしまう可能性があるので、無理をせず返却しましょう。
また汚れの原因や程度、破損の程度によっては高額な費用を別途請求される可能性もあるので、できるだけ汚さないように注意しましょう。